公開日:2019.10.10
出演者:宮脇淳子(東洋史家)
『皇帝たちの中国』(岡田英弘著)を読む

2. 日本人の常識とまったく違う「皇帝と都市と漢字」

岡田英弘先生は、中国文明の三大要素は「皇帝」「都市」「漢字」だと指摘する。実は日本人の「皇帝」「国家」のイメージと、中国人のそれとは、まったく違う。皇帝は商業都市ネットワークを握る存在であり、いわば中国最大の資本家だというのである。税金も、皇帝の手元には「商業税」しか来なかった。では、そんな帝国はいかに運営されていたのか。

宮脇淳子

東洋史家
昭和27年(1952)和歌山県生まれ。京都大学文学部卒業、大阪大学大学院博士課程修了。博士(学術)。専攻は東洋史。大学院在学中から、東京外国語大学の岡田英弘教授からモンゴル語・満洲語・シナ史を、その後、東京大学の山口瑞鳳教授からチベット語・チベット史を学ぶ。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員を経て、東京外国語大学、常盤大学、国士舘大学、東京大学などの非常勤講師を歴任。