公開日:2019.10.19
出演者:江崎道朗(評論家、拓殖大学大学院客員教授)
天皇と憲法と近代日本(2)福沢諭吉の構想力

3. 「民心軋轢の惨状」の緩和は天下無上の美事

国会を開設すれば、政敵のスキャンダルを暴露して排撃しようとする動きが強まることは、福沢は百も承知だった。党派間の積年の怨みと対立が深くなった状況で、国家の非常事態が起きたらどうするのか…。それが福沢の懸念だった。だが皇室が、政治的党派とはまったく無関係のところにあれば、それこそ「天下無上の美事」となる。そう説いた福沢の狙いとは?

江崎道朗

評論家、拓殖大学大学院客員教授
評論家、拓殖大学大学院客員教授。昭和37年(1962)生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、安全保障、インテリジェンス、近現代史研究に従事。平成28年(2016)夏から本格的に評論活動を開始。