公開日:2019.10.9
出演者:中西輝政(京都大学名誉教授)
近代日本史における天皇(1)奇跡はなぜ実現したか

1. 「天皇の伝統」は何度も再活性化されてきた

実は「近代的な天皇観」は、明治以後につくられたものではなく、江戸時代から形づくられたものだった。ポイントは「天皇の伝統の再活性化」である。平安、鎌倉、室町、戦国と時代の変遷の折々で再活性化は起きたが、江戸中期の「再活性化」が大きな意味を持ったのだ。果たして、それぞれの時代に何が起きたのか。[聞き手:川上達史(歴史チャンネル編集長)]

中西輝政

京都大学名誉教授
昭和22(1947)年、大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。ケンブリッジ大学大学院修了。京都大学助手、三重大学助教授、スタンフォード大学客員研究員、静岡県立大学教授を経て、京都大学大学院教授。平成24(2012)年に退官し、京都大学名誉教授。専門は国際政治学、国際関係史、文明史。平成2(1990)年、石橋湛山賞受賞。平成9(1997)年、『大英帝国衰亡史』(PHP研究所)で第51回毎日出版文化賞・第6回山本七平賞を受賞。平成14(2002)年、正論大賞受賞。