公開日:2019.10.17
出演者:江崎道朗(評論家、拓殖大学大学院客員教授)
天皇と憲法と近代日本(1)中江兆民の天皇論

3. 自由党のごとき尊皇家はあらざるべし

自由党を率いた板垣退助は、「彼輩(政府)は、わが皇帝陛下(天皇)を以て魯帝(ロシア皇帝)の危難に陥らしめんと図るものなり。吾党は、わが皇帝陛下をして英帝(イギリス国王)の尊栄を保たしめんと欲するものなり」と述べた。自由民権運動とは、「薩長藩閥政府」の有司専制に「天皇の議会」を対峙させようという試みだったのだ。その狙いと深層に迫る。

江崎道朗

評論家、拓殖大学大学院客員教授
評論家、拓殖大学大学院客員教授。昭和37年(1962)生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、安全保障、インテリジェンス、近現代史研究に従事。平成28年(2016)夏から本格的に評論活動を開始。