公開日:2019.10.9
出演者:童門冬二(作家)
近代日本をつくった男、渋沢栄一

2. 社会を富ませてこそ「護民官」

渋沢の主君・徳川慶喜は、慶応3年(1867)のパリ万国博覧会に弟・昭武を派遣。渋沢が事務長的な立場で随行することとなる。だが、フランス滞在中に徳川幕府が倒れてしまう。困った渋沢はフランスの銀行家フェラーリの助けを得て、資金を運用して殖やし、無事に帰国を果たした。このフランスでの体験で、渋沢は株式など資本主義の仕組みと精神を肌で学んでいく。

童門冬二

作家
1927(昭和2)年、東京生まれ。東京都庁にて広報室長、企画調整局長、政策室長等を歴任後、79年に退職。以後は執筆活動に専念し、歴史を題材に、組織と人間の問題を浮かび上がらせる手法で、数々の話題作を手がけている。第43回芥川賞候補。99年には勲三等瑞宝章を受章。