公開日:2019.10.10
出演者:童門冬二(作家)
近代日本をつくった男、渋沢栄一

3. 「最強官庁=大蔵省」の礎を築く

フランスから帰国した渋沢は、静岡に蟄居する徳川慶喜のもとに馳せ参じ、困窮している旧幕臣のために、欧州での経験を生かして「商法会議所」を設立。茶の栽培事業などを立ち上げ成功を収める。これが注目され大蔵省に入省。簿記制度の導入や租税の金納化などに辣腕を振るうが、財政規律の徹底を主張して政府高官とぶつかり、下野。遂に銀行設立に動くのだった。

童門冬二

作家
1927(昭和2)年、東京生まれ。東京都庁にて広報室長、企画調整局長、政策室長等を歴任後、79年に退職。以後は執筆活動に専念し、歴史を題材に、組織と人間の問題を浮かび上がらせる手法で、数々の話題作を手がけている。第43回芥川賞候補。99年には勲三等瑞宝章を受章。